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更新日:2020年6月1日更新
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令和2年度 施政方針

令和2年度 施政方針(令和2年2月25日)

 2月定例会の開会に当たり、所信の一端を申し述べますとともに、令和2年度における主要施策について申し上げます。

 

当初予算の概要

 令和2年度当初予算を、第2次総合計画に込めた安全安心の推進や、若者が魅力を感じる住環境の実現による移住定住の促進等が、具体的な形となって動き出すための積極的予算と位置づけ、ビッグプロジェクトを、スピード感を持って進めてまいります。
 このため、一般会計の当初予算額は213億7千万円で、牧之原市として過去最大の予算規模となりました。具体的には相良牧之原インターチェンジ北側の高台開発、スズキ相良工場の拡張、防災拠点の整備、図書交流拠点の整備のほか、民間事業ではアジア初のウエーブプールが動き出します。並行してこの2月議会では、国の補正予算等を活用した施策の前倒し実施のため、放射線防護施設の整備、図書機能を持つ新たな交流拠点の整備、小中学校ICT教育環境の充実などを盛り込んでいます。
 歳入につきましては、市税が前年度より6億3千万円の大幅な減額を見込んでおり、その要因としては、税率改正や市内大手企業の業績後退に伴う法人市民税の減少を5億3千万円と見込んでおります。この法人市民税の税制改正による減収については、新たに法人事業税交付金が補填措置として創設され、1億8千万円を計上いたしました。
 地方消費税交付金は、消費税率引上げの影響が通年化することから2億円を増額した一方、地方特例交付金は、幼児教育、保育の無償化に係る地方負担分の措置が地方交付税に振り替わることから1億2千万円の減額といたしました。
地方交付税は、市税の減収や保育等の無償化に伴う交付税措置への振り替えなどにより3億5千万円を増額計上いたしました。
 県支出金は、産地パワーアップ事業や地域産業立地事業などの新規事業により5億8千万円の大幅な伸びを見込みました。
 繰入金は、財政調整基金から12億円、減債基金から3億円を計上し、市債については、ふるさと融資によるウエーブプール建設への地域総合整備資金貸付事業や放射線防護施設整備事業などにより5億2千万円、昨年より約22パーセントの増となりました。
 3年連続して200億円を超える大規模予算となり、起債残高の増加や基金残高の減少などが懸念されることも十分認識しておりますが、今後の本市の持続性を高めていくためにも、動き出した各プロジェクトを着実に推進していくことが重要であると考えており、歳出の見直しにおける事業の選択と集中を図るとともに、財源確保に努めてまいります。

 

令和2年度における主要事業の概要

 市の都市計画マスタープランでは、将来目指すべき都市構造として、相良地区と榛原地区の中心市街地を裾野とし、東名相良牧之原インターチェンジ、富士山静岡空港を山頂とする「富士山型ネットワーク構造」への転換を図っていくこととしております。
 高台開発プロジェクトにつきましては、この「富士山型ネットワーク構造」を具現化する取り組みであり、都市の防災・減災力の強化を図るとともに、インターチェンジや空港の整備効果を市内に引き込み、既成市街地と内陸部をつなげ、まち全体を発展させるための重要な施策です。
 そうした中で、1月31日に牧之原市インターチェンジ北側土地区画整理準備組合、大和ハウス工業株式会社、市の三者による「(仮称)牧之原市インターチェンジ北側土地区画整理事業に関する業務協定」を締結いたしました。
 この協定では、準備組合は土地区画整理組合設立のために必要な業務を大和ハウス工業に委託すること、大和ハウス工業は一括業務代行予定者として事業の推進全般の役割を担うこと、市は円滑に組合が設立できるよう援助することなどを定めました。令和2年度におきましては、土地区画整理事業によって整備される道路、調整池、公園などの公共施設に関する調査、測量、設計等について補助金を交付し、来年3月の事業認可取得と、組合設立に向け支援してまいります。
 また、地区のまちづくりについては、公共公益施設としての機能に加え、AI、IoTなど、最先端技術の導入による社会課題の解決等を考慮しながら、準備組合や地域の皆様、関係企業等と共に、具体的な検討に取り組んでまいります。

 未来若者プロジェクトにつきましては、令和元年度に策定したミルキーウェイショッピングタウン周辺まちづくり構想を具体化するため、拠点となる公民複合施設「ミルキーウェイスクエア」の整備などに注力してまいります。
 複合施設のうち民間部分は令和2年3月21日に先行オープンの予定です。公共部分については、令和元年度2月補正予算に関連経費を計上し、図書館基本計画に基づき、市民生活を支える知や文化の拠点として、令和3年4月のオープンを目指してまいります。

 こうした大きな事業が動き出していく一方で、公共施設の適正配置は、健全な財政運営を執行する上で避けて通れない課題となっています。
 平成28年11月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、これまで施設の有効活用を基本に整理統合や廃止などを実施してまいりました。令和2年度においては、全施設について個別施設計画を策定いたします。これにより今後のトータルコストを把握し、市の財政見通しとのバランスを図りながら、中長期にわたる公共施設の効率的な活用と、適正な維持更新を進めてまいります。

 学校再編につきましては、計画策定委員会を立ち上げ検討を始めており、市民の皆様からご意見を伺いながら、令和2年度中の計画策定を目指して取り組んでまいります。
 学校再編と合わせて小中一貫教育やコミュニティスクール等これからの教育に必要な環境づくりを進め「通いたい、通わせたいと思える魅力的な学校」の実現を図ってまいります。

 加えて保育園等につきましては、市全体の教育・保育サービスの質の向上と子育て家庭への支援を充実させるとともに、将来ニーズに合った保育施設を整備するため「保育園等施設マネジメント計画」を策定いたしました。令和2年度においては、保育園等の民営化に向け、公立保育所民間移管審査委員会や社会福祉事業団を設立し、より良い教育・保育環境の向上に努めてまいります。

 

健康福祉

 新型コロナウイルスに関連した肺炎につきましては、国内の感染者も増加傾向にあり、感染拡大を懸念しているところであります。市としましても、1月下旬からホームページやSNSなどを通じて、注意喚起や予防について情報提供をするとともに、市内に感染者が出た場合を想定して庁内や関係機関との連携強化に努めております。
 今後も市民の皆様には、正しい知識を持ち、過剰に心配することなく、適切な感染症対策に心がけていただきたいと考えております。子育て支援につきましては、前年度に実施した子育て世帯へのアンケート、子ども・子育て会議のワークショップ等による市民の皆様の意見を反映し「第2期牧之原市子ども・子育て支援事業計画」を策定いたしました。
 妊娠期から出産、子育て期間の不安感や孤独感を和らげ、子育てに前向きに取り組めるよう、保護者や家族を切れ目なく支援して、子どもを生み育てやすい環境づくりを進めてまいります。
 牧之原市の平成31年4月1日現在の高齢化率は30.3%、うち75歳以上が15.6%となっており、超高齢社会に突入しております。人生100年時代を見据え、令和元年5月に「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」が公布されました。
 高齢者の心身の多様な課題に対し、きめ細やかな支援を実施するため、これまで広域連合が実施してきた後期高齢者の保健事業は、今後は市町村が中心となり、介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業と一体的に実施することとなります。令和2年度は、一体化に向け関係課の連携体制を整備し、データの収集、分析、事業への反映を進めてまいります。
 地域包括支援センターについては、高齢者の健康の保持及び生活の安定のため、必要な援助を行う機関として、総合相談、他機関とのネットワーク構築、介護支援専門員の支援等を行っております。
 今後は、さらなる少子高齢化が進むことや高齢者のみの世帯の増加等により、多様なニーズに応じた体制強化が必要なことから、令和2年度に3箇所目の地域包括支援センターを、牧之原地区に新設します。市民により近い場所で、相談や困難事例へ対応することが可能となり、高齢者の在宅支援の要である地域包括支援センターのさらなる強化・充実を図ってまいります。
 地域医療提供体制の充実については、市民の皆様が安心して地域で医療を受けることができるよう、榛原三師会の皆様のご協力により地域医療提供体制を整えているところですが、全国的な医師不足の中で、当地域は特に医師が不足している状況にあります。引き続き、開業を目指す医師に市の魅力を発信し、市内での医師の新規開業に向けた支援に取り組み、地域医療提供体制の充実に努めてまいります。
 榛原総合病院につきましては、平成22年2月から沖縄徳洲会を指定管理者として、病院経営の再建に取り組んでまいりました。この10年間で、救急患者の受入れ件数の増加や回復期リハビリ病棟の開棟、入院病棟の増床など、診療体制が徐々に充実してまいりました。
 3月末には指定管理期間が満了となりますが、次の10年間についても、引き続き、沖縄徳洲会を指定管理者として、地域に必要な医療の提供をお願いしたところであります。
 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、医療ニーズが高まることが予想されますので、指定管理者とともに医師の確保に努めながら、現在休止している病棟を、回復期や地域包括ケア病棟として検討していくなど、新たな10年へ向けて、地域に必要な病床機能の充実を図ってまいります。

 

教育文化

 令和時代における学校像として、ICTを効果的に活用した教育環境が求められており、市においても国のGIGAスクール構想を受け、高速通信ネットワークや、小学校5・6年生と中学校1年生への端末の整備を予定しております。事業の実施には、ランニングコストを含め多額の財源が必要であることから、国の財政措置状況を見極めながら整備を進め、子ども達の学びの充実を図ってまいります。
 学校教育施設につきましては、学習環境の向上を図るため、細江小学校において、校舎の屋上防水や壁面塗装等の改修工事を実施いたします。
 昨年、田沼意次侯生誕300年記念事業において、市内外に紹介された勝間田城跡につきましては、その歴史的価値を守り、次世代に伝えていくとともに、来場者が安全に見学できるよう、森林環境譲与税を活用し概ね6年計画で城内の伐採整備を実施してまいります。
 また、ぶらり田沼の旅をはじめ、市内の文化財や本市ゆかりの偉人などを題材に、誘客とインバウンドの成果を高めるための取り組みを進めてまいります。

 

産業経済

 厳しい茶業情勢の中で、新たな経営形態への転換や取引先からのニーズに対応するため、国の産地パワーアップ事業を活用し、集出荷貯蔵施設や製茶製造施設を整備する茶業関係者を支援してまいります。
 茶園基盤整備については、静波原において、農地中間管理機構関連事業として、全国初の茶園基盤整備事業を進めております。現在、換地の原案作成を行っており、令和2年度の工事着手を予定しております。この茶園基盤整備の補助制度拡充などにより、生産者の中で基盤整備の推進機運が高まっており、地域の状況に合った補助制度を活用した茶園基盤整備を進めてまいります。引き続き県や関係機関と連携し、地域との話合いにより圃場環境の向上を図ってまいります。
 献上茶謹製事業につきましては、市内4箇所の指定茶園を選定し、JAによる栽培指導が行われております。市では記念式典に向け、市手揉保存会、JAと連携しながら準備を進めております。
 産地賞を受賞した高品質な茶の産地として、静岡牧之原茶のブランド力がさらに高まるよう情報発信に努めてまいります。これからの農業には、産地や業種を越えた連携が重要です。食と体験を新たな販路拡大に活用するなど、先進事例を参考にしながら農業振興を図ってまいります。

 スズキ相良工場の拡張事業計画につきましては、今年度の開発可能性基本調査に続き、来年度は、基本設計を作成するための詳細調査を行ってまいります。本事業は静岡県が行うオーダーメード方式による工業用地造成事業としての採択を目指していることから、引き続き静岡県、スズキ株式会社との連携体制を維持し、地元、土地所有者のご理解を得ながら、早期実現を目指して取り組んでまいります。

  市内の中小企業におきましては、雇用の確保が喫緊の課題であります。このような状況を改善し、若者の市内企業への就職を促すため、市内高校生を対象とした短期職業体験プログラム「ジョブシャドーイング事業」に新たに取り組んでまいります。
 体験型インターンシップを通じて、学生が働くイメージを掴み、職業について広い視野で考えるきっかけを与えることができます。若者の早期離職や転職を減らすとともに、地元企業の魅力を知ってもらい、Uターン就職を含めた地域の雇用確保につなげたいと考えています。

 事業者からの様々な相談を無料で受け付け、課題解決に向けて支援する「牧之原市ビジネスサポートデスク」、通称「まきサポ」については、昨年4月の開設以降、毎月2回の開催ではありますが、昨年12月までに60件を超える相談を受け、市内事業者が抱える各種課題の解決に努めております。今後も引き続き相談機能の充実を図り、中小企業・小規模企業を支援してまいります。

 民間事業者によるウエーブプールにつきましては、2月22日に安全祈願祭が行われました。今年の秋には、アジア初の本格的なウエーブプールが開業する予定です。
 これに関連し、市とANA総合研究所は、包括連携協定を締結いたしました。今後は、地域の核としてウエーブプールを位置づけ、連携協定に基づき、ANAグループが保有する知識やネットワークなどの支援を受けながら、地域団体とともに来訪者の増加や賑わいの創出につながるよう沿岸部の活性化を図ってまいります。

 

生活基盤

 まず道路事業につきましては、空港隣接事業として行っている市道八ツ枝毛ヶ谷線の整備を引き続き実施していくとともに、市道坂部細江線の歩道設置工事及び用地取得、市道並木外之久保線の用地取得を進め、令和5年度の完了を目標に事業を実施してまいります。
 静波1号幹線につきましては、用地買収が完了し、現在は県により工事が進められているところです。合わせて、市においても防災上の緊急避難路・物資輸送ルートの機能を確保するため、市内初となる道路の無電柱化を県とともに進めてまいります。
 主要地方道 吉田大東線 南原工区につきましては、現在、県により島田市側の用地買収が進められており、来年度からは牧之原市側の用地買収に着手できる見込みであることから、今後も一層、早期の全線開通に向け、国への要望や県との事業調整に努めてまいります。
 橋りょうや舗装、法面などの道路ストック補修事業につきましては、令和2年度も引き続き、県に対して約4億5千万円規模の補助金等を要求しているところであり、今後も市民生活の向上、市内企業の産業経済活動の発展に向け、計画的な点検と維持補修に努めてまいります。特に来年度からは、主要幹線である広域農道の市道女神4号線、勝俣12号線の舗装修繕を計画的に進めていく予定であります。
 懸案であります細江地区の浸水対策事業につきましては、令和2年度から準用河川沢垂川改修工事に着手し、約200mの改修を予定しております。
 また、二級河川坂口谷川への放水路設置につきましては、令和2年度中の変更完了を目指し、6月に開催予定であります県の河川審議会に向け、引き続き県と協議を行っております。
 公園については、「ふるさと体験の森ゆうゆうらんど」において、地域の活性化を目的として、交流イベントの開催や駐車場、健康づくりの場としてご利用いただける多目的広場の整備を行います。
 合併処理浄化槽への転換促進につきましては、国の政策もあり、単独槽から合併槽への転換にかかる費用に対する助成事業を令和元年度から新設いたしました。これにより単独槽から合併槽への転換件数は、昨年度の10件から4倍の40件に増加するなど、助成事業による促進効果が表れています。
 今年度においても公衆衛生の向上と生活環境の保全のため、合併浄化槽への転換促進について、業界団体と連携しながら市民への周知に努めてまいります。

 公共交通につきましては、これまで鬼女新田地域を対象に運行してまいりました「鬼女新田地域通学タクシー」の運行範囲を菅山原地区まで拡大し、相良小学校、菅山小学校へ通う小学生を主な利用者とした市営バス「鬼女菅山線」として、令和2年4月から運行を開始する予定です。
 このバスは市町村運営有償運送により運行するもので、運転手はシルバー人材センターに委託し、運行管理は市が行う体制を考えております。
 また、安定的な運行の確保のため、運行管理を担う団体の設立を検討してまいります。
 デマンド乗合タクシーにつきましては、現在、「さかべ号」、「かつまた号」、「すげやま号」、「はぎま号」の4地区で試験運行を実施しております。「さかべ号」につきましては、試験運行開始から2年が経過し、事業評価の結果を受け令和2年4月から本格運行へ移行してまいります。引き続き利用者の拡大に努めるとともに、今年度も新たな地区での試験運行に向けて取り組んでまいります。

 リニア中央新幹線静岡工区のトンネル建設に伴う大井川の水と環境問題については、JR東海と県中央新幹線対策本部による対話が重ねられているところですが、未だJR側から大井川流域市町が納得できる説明がなされていない状況であります。
 大井川の水は、地域住民にとって「命の水」です。今後、国が設置する専門家等による有識者会議の動向を注視するとともに、引き続き県を窓口として流域10市町が足並みを揃え、取り組んでまいります。

 

防災

 現在地頭方に建設を進めております放射線防護施設は、原子力災害の緊急事態が発生した際に、迅速な長距離避難が困難な要配慮者とその介助者約260名が、一時的に退避するための施設として国の10分の10の補助金で建設しており、3月末の完成を目指しております。
 この施設では、市民の皆様の会合などに活用していただくとともに、日頃から放射線防護や避難などに関する展示を行い、原子力防災の知識を普及したいと考えております。
 また、相良地区においても約500名の要配慮者が見込まれることから、相良総合センター「いーら」南側に、総合的な防災拠点の整備を計画しております。現在、用地の造成について設計を進めており、来年度には工事に着手する予定です。
 まず250名収容の仮称「相良第1放射線防護施設」については、令和2年度に設計、令和3年度に建設・完成を目指してまいります。
 さらに不足する249名分については、エアシェルターや福祉スペース、体育館機能を備えた避難所として、仮称「相良第2放射線防護施設」の整備を検討しております。整備手法や財源確保について調整中でありますが、必要な用地については令和2年度に造成してまいります。

 同報無線のデジタル化につきましては、信号をデジタル化することで音声が明瞭になり、屋外で70デシベル以上のレベルで聞こえる範囲が格段に広がっています。必要な水準を満たしているか職員が現場で確認しておりますが、最近の住宅は気密性が高く、外部の音が聞こえにくくなっています。また暴風雨の中で放送がかき消される状況も想定されることから、災害時に必要な情報が正確に伝わるよう、メールやラインなどを活用し、情報発信に努めてまいります。
 さらにこうした手段が使えない独居の高齢者や視覚障がい者の方には、戸別受信機を配布し、市民の皆様の安全安心を守ってまいります。

 防潮堤の整備につきましては、県によるレベル1の対策工事が平成27年度から進められておりますが、令和元年度からは地頭方地区に加え、片浜、静波地区においても工事に着手され、現在、併せて3,438mの区間で工事が進められております。一部繰越しが予定されておりますが、令和2年度はさらに広い区間で整備が進められることになっております。
 また、市が管理しております地頭方漁港海岸につきましては、平成28年度から工事に着手しており、今年度で全延長1,100mのうち113mが完成見込みとなっております。今後も防潮堤の早期完成を目指し、国、県への要望活動を推進してまいります。

 消防施設の整備につきましては、現在坂部振興センター跡地に建設中の坂部消防館が今月末に完成いたします。令和2年度は、地頭方地区に3箇所ある消防団詰所を1つに統合し、消防団員の活動環境の改善を図るとともに、効率的な出動体制を整えてまいります。

 また、近年高齢者を狙った悪質商法や特殊詐欺など、消費生活をめぐるトラブルは複雑巧妙化している状況にあります。市では、地域や関係者の皆様との連携を深めながら、継続的に消費トラブルの未然防止に努め、市民一人ひとりが賢い消費者になるための消費者教育や啓発活動を推進し、今後も消費者の安全と安心を確保するため、引き続き消費者行政に全力で取り組んでまいります。

 

市政経営

 社会情勢の変化に対応し、限られた人材、財源の中で行政サービスを維持するためには、「行財政運営の一層の効率化に向けた取り組み」を市政運営の重要課題として再認識するとともに、その取り組みを加速させる必要があります。
 庁内組織におきましても、直面する重要施策の進捗を確かなものにするため、令和2年4月から、関係する部署を改編いたします。
 まず、総務部管理情報課に情報政策係を新設し、AIやRPAなどを活用した行政手続きのデジタル化を推進します。
 また、市民生活部に国保年金課を新設し、多様化する市民ニーズに的確に対応できる体制を構築し、市民サービスのさらなる向上を図ってまいります。
 さらに、産業経済部 商工企業課内にある企業立地室を企業立地推進課とし、スズキ相良工場の拡張に迅速に対応できるよう、支援体制を強化してまいります。

 市内の自治会では、人口減少や高齢化が進んでいることに伴い地域コミュニティの希薄化が課題となっており、将来にわたり住民自治による主体的で持続可能な地域づくりを推進するため、市が地区を支援する職員を配置した「地区の支援制度」の試行を行います。
 令和2年度においてはモデル地区を設け、可能な業務から試行し、それらの検証・協議を踏まえながら、段階的に機能の拡充を図ります。

 シティプロモーションにつきましては、市民が「まち」に誇りを感じ、その魅力を発信するためのツールとして、現在公式スローガンの策定事業に取り組んでおります。小中学校やイベントに出向き、投票活動により皆様の意向を確認しているところであり、来月末には、決定した公式スローガンをお披露目できるよう、準備を進めております。
 さらに来年度は、魅力発信ツールとして、公式スローガンやロゴを積極的に活用し、市のイメージづくりを図ってまいります。

 いよいよ東京2020オリンピック・パラリンピック開幕まで、5ヶ月余りとなりました。3月26日に福島県をスタートする聖火が、6月25日には牧之原市内を通過します。この聖火リレーは、牧之原市を世界に発信する場であるとともに、市民が地域に対する誇りを醸成する絶好の機会であります。
 当日は、沿道が市民で埋め尽くされるよう万全の準備体制を整えるとともに、引き続き、米国と中国のホストタウンとして、交流や事前合宿の誘致を推進してまいります。

 

 以上、主要施策の概要を述べさせていただきました。
 厳しい社会情勢や財政状況の中ではありますが、第2次総合計画の後期基本計画の完遂に向け、動き出した大きなプロジェクトに全力で取り組んでまいります。
 議会の皆様、市民の皆様のさらなるご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、令和2年度の施政方針とさせていただきます。

 

  令和2年2月25日

牧之原市長 杉 本 基 久 雄  

 

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