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富士山静岡空港開港15周年記念インタビュー ~あの時の私たちは今~
本インタビュー記事について
「広報まきのはら」令和6年9月号に、富士山静岡空港開港15周年記念特集記事として「富士山静岡空港開港15周年記念~あの時の私たちは今~」という題で、現在航空業界で活躍されている2人にインタビューを実施しました。
15年前に当時学生だった2人へのインタビューの全文を公開します。
秋野 志勇斗さん(31歳)波津区出身
1.ご自身の経歴について教えてください。
旧相良町に生まれ、中学校卒業までは市内の公立学校及び榛原高校に通いました。山梨大学へ進学したことを機に静岡県を離れました。
2.なぜその職に就こうと思いましたか。
祖父や父の影響で幼い頃から航空自衛隊静浜基地の航空祭などを訪れていました。それをきっかけに空を見上げることがあり、家の上を通り過ぎる旅客機を眺めては自然とパイロットへの憧れを強めました。後々になって知ったことですが、空にも道があり、その一つが牧之原市の上を通っているので、目に入る旅客機の数が多かったことが私を空に近付けてくれたのかもしれません。また、中学生の時に市の行事でANAの機長の話を聞くことができたのもきっかけの一つです。
3.実際に仕事をして、良かったこと・大変なことなどを教えてください。
何度か修学旅行生の搭乗する便を担当したことがありますが、私が初めて飛行機に乗ったのも修学旅行でした。特にスカイマークの就航する神戸空港や茨城空港ではシェアのほとんどを当社で占めており、そういった空港を発着する便で修学旅行生に乗っていただける機会には当社の存在意義を感じ、自身の経験も踏まえて嬉しく思います。
大変なこととしては勤務時間が固定されず、早朝から夜遅くまで様々な時間帯にフライトするので体のリズムを整える難しさがあります。
4.パイロットになるために必要なことはなんですか?(身体的条件・資格について)
航空従事者技能証明という運転免許証のような資格と国の定める航空身体検査に合格する必要があります。
5.どのような学生時代を過ごしてきましたか?
中学、高校ではテニス部に所属して友人と楽しく過ごしました。大学進学後はエスパルスの応援が好きでしたので、日本平をはじめとして全国各地のスタジアムを訪れたことが思い出です。
6.航空業界に入って一番驚いたことはなんですか?
パイロットとしては一日に三便から四便を担当することがあることには驚きました。北海道に行ってから、最終的には沖縄に行くこともあり、大変な面もありながら、一方で経験を積むことのできる環境です。
7.一番好きな場所(就航先)はどこですか?
下地島空港(沖縄県)です。 コックピットから眺める海の美しさは何度飛んでも感動します。滑走路の延長線上には観光客も入ることができ、「17END」と呼ばれる観光地となっています。
8.休みの日の過ごし方を教えてください。
子供が幼いので休みの日は一緒に出掛けています。コックピットは紫外線が強く日焼けしやすいですが、休日も日に焼けるので夏場は真っ黒になります。
9.航空業界を志す人へ一言お願いします。
空港の出発口で大きく手を振って別れる人達、到着口で再会を喜ぶ人達。その一人一人を乗せる旅客機には数多くの仕事が関わっていて、その一つとして欠けてしまっては旅客機は今のようには飛べません。私たちの街に空港があることをきっかけとして、航空業界に興味を持つ方が一人でも増えることを願います。
山田 大喜さん(35歳)川崎区出身
1.ご自身の経歴について教えてください。
川崎小、榛原中、相良高と進学し、高校の指定校推薦で航空関係の専門学校へと進学しました。
2.なぜその職に就こうと思いましたか。
高校1年の夏、市役所の近くにある静岡空港の看板を見て興味を持ちました。興味本位ではありましたが、元々飛行機が好きだったこと、相良高校の指定校推薦に航空関係の専門学校があったことからこの道を決意しました。
3.実際に仕事をして、良かったこと・大変なことなどを教えてください。
ランプ業務・給油業務共に屋外でやる仕事であるが、天候に関係なく完璧な仕事をしなければならないのが大変です。飛行機を定刻で離陸させるためには時間が決まっているが、その中で高レベルなサービスを提供しなければいけないのが大変であり、一方でやり遂げたときにはやってよかったと思います。
4.グランドハンドリング(空港地上支援業務)をするために必要なことはなんですか?(身体的条件・資格について)
給油業務だと危険物乙4や大型運転免許等が必要になりますが、他の業務であれば普通運転免許のみで仕事が出来ます。国際線の対応もあるので、英語で日常会話が出来るといいと思います。
5.どのような学生時代を過ごしてきましたか?
ぐりんぱるで静岡国体のアーチェリーを見たことがきっかけで始めました。しかし、相良高校には部としてはなかったため、同級生を集めて同好会を立ち上げ、東海大会まで進むことが出来たのが思い出です。
6.航空業界に入って一番驚いたことはなんですか?
専門用語が多いことに驚きました。また、日本の場合給油時はリットルで計算するが、航空機の場合はポンドで計算します。FDAの標準的な機体は2万4000ポンド入るが、それをリットルに置き換えて考えなければいけないのが大変です。(2万4000ポンド=約59万1430リットル)
6-2. 転勤は多いですか?
ランプ業務をやっていた時に、県営名古屋空港、高知空港の立ち上げに携わることはありました。基本的には静岡空港が勤務地になっています。
7.一番好きな場所(就航先)はどこですか?
FDAが就航しているところは大体行ったが甲乙付け難い。一番好きなのは高知県で、お酒も美味しく魚も美味しい。高知県と言えばカツオのたたきだが、静岡県とは違い、ほとんどが塩で食べる。それが日本酒ととても合うので是非一度味わってみてください。
8.休みの日の過ごし方を教えてください。
土日休みのときは友人と遊びに行くことが多い。平日休みであるときはスキルアップのために勉強したりしている。まとまった休みが取れればFDAを利用し旅行したりする。最近の勉強はビジネスやマネジメント、語学(英語)の勉強をしている。
9.航空業界を志す人へ一言お願いします。
航空業界は1人で成り立たない仕事であり、チームワークが大事な仕事です。それが大変な反面、バトンタッチをしていく楽しさもあります。地元にある空港がきっかけで飛行機の傍で一緒に働く人が増えたらと思います。