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更新日:2019年11月7日更新
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原子力災害における安定ヨウ素剤について

1 原子力災害と原子力防災

 東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所での原発事故を教訓として、国はそれまでの原子力防災対策を大きく見直し、原子力災害対策指針の大幅な改定を行ってきました。

原子力災害時における原子力防災は、放射線被害を最小限にして、人命を守ることが目的であり、これを第一義としています。

 原子力防災の基本は、放射線から物理的に距離をおき、外部被ばくを防ぐ「避難」と「屋内退避」、そして放射線を体内に取り込んだ場合の内部被ばくによる被害を抑える「安定ヨウ素剤の服用」が重要になります。

(1)PAZとUPZ(原子力災害対策重点区域)について

 国の原子力災害対策指針では、原発から半径5kmの圏内をPAZ(予防的防護措置を準備する区域)とし、原発から概ね半径5km~30kmの圏内をUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)として、それぞれの区域ごとに防護対策の基本を示しています。

 ※牧之原市におけるPAZとUPZ(原子力災害対策重点区域)については、こちらをご覧ください。[PDFファイル/188KB]

浜岡原子力発電所周辺の原子力災害対策重点区域

 浜岡原子力発電所周辺の原子力災害対策重点区域の画像

区域ごとの防護対策の基本

防護措置基本の画像

2 放射性ヨウ素による被害と安定ヨウ素剤

 甲状腺への放射線の影響は、甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素による内部被ばくが考えられます。取り込まれた放射性ヨウ素の10%~30%が、24時間以内に甲状腺に集積し、残りの大部分は腎臓から尿として排泄されます。
 放射性ヨウ素が体内に取り込まれると、甲状腺に集積して、それが放つ放射線によって数年から数十年後に甲状腺がんを発症する可能性があります。

(1)内部被ばくの低減

 内部被ばくとは、放射線を放つ放射性物質を口から体内に取り込んでしまった場合に、放射線による被害を体内から受けることです。放射性物質の1つである放射性ヨウ素は、体内に取り込むと甲状腺に集積する性質があり、甲状腺がんの発生確率を高める可能性があります。この放射性ヨウ素による被害を低減するのが、医療用の医薬品である安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)です。

(2)安定ヨウ素剤の種類

 安定用ヨウ素剤には、3歳未満の方向けのゼリー剤と、3歳以上の方向けの丸薬があります。

<ゼリー剤の外包と中身>
ゼリー剤の外包と中身の画像

<丸薬の外包と中身>
丸薬の外包と中身の画像

(3)安定ヨウ素剤の効果

 安定ヨウ素剤は、医療用の医薬品で、原子力災害が発生した時に服用します。

 放射性ヨウ素による甲状腺被ばくは、放射性ヨウ素に暴露する24時間以内に安定ヨウ素剤を事前に服用することにより低減することができます。放射性ヨウ素の暴露後であっても、4時間以内であれば効果はあるとされています。

 ただし、安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素による甲状腺への内部被ばくの低減のみに効果があり、放射性ヨウ素以外の放射性物質による被ばくを抑えることはできません。

安定ヨウ素剤の効果_1.jpgのサムネイル画像

(4)安定ヨウ素剤の備蓄とUPZへの対応

 UPZについては、安定ヨウ素剤を適切な場所で管理(備蓄)し、緊急時に配布することとされています。市では、市役所庁舎・学校・公民館などの公共施設に必要な数量を備蓄しています。

 なお、市では、UPZにおける緊急時の安定ヨウ素剤配布の実効性を考慮して、UPZ圏の地域に対する事前配布について、県に要望をしています。

(5)原子力災害時における安定ヨウ素剤の服用の指示

 PAZにおいては、「全面緊急事態」に至った時点で、直ちに、避難の指示とともに安定ヨウ素剤の服用について国の原子力災害対策本部または県・市が指示を出すため、原則として、その指示に従い服用をします。

 ただし、安定ヨウ素剤を服用できない方、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくの健康影響が大人よりも大きい乳幼児、乳幼児の保護者等については、安定ヨウ素剤を服用する必要性のない段階である「施設敷地緊急事態」において、優先的に避難をします。

 UPZにおいては、「全面緊急事態」に至った場合、まず、国または県・市の指示に基づいて直ちに屋内避難を実施します。その後に、原子力施設の状況や空間放射線量の測定値に応じて、避難や屋内退避等と併せて、原子力規制委員会が安定ヨウ素剤の配布と服用の必要性を判断します。国の原子力災害対策本部または県・市が指示を出すため、原則として、その指示に従い服用します。 

(6)安定ヨウ素剤についてのQ&A

服用方法や副作用等については、こちらをご覧ください。

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