○牧之原市まちづくり土地条例

平成17年10月11日

条例第108号

近年社会経済状況の変化の下で、本市におけるまちづくり及び土地に関する所有、利用、取引等について、自然環境の保全を含む公共の福祉優先の立場から秩序ある市の一層の発展を期するためには、まちづくりへの市民の参加とそれを調整する適正な方針と仕組みを定める必要が生じてきた。そのため、この条例を制定し、土地が私有財産であっても高い公共性を併せ持つことに鑑み、土地の利用については市、市民、地権者、自治会、事業者、進出企業が協力しあい、発展するまちづくりを目指すものである。

また、土地に関する施策を行うに当たり、環境の保全については、その施策の指針となる事項を定め、もって土地の適正かつ合理的な利用を図るものである。

第1章 土地に関する施策

(基本原則)

第1条 市に所在する土地は、地域社会の共通の必要性並びに地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件を考慮し、かつ、この条例に定めるところに従って適正に利用されなければならない。

(責務)

第2条 市は、前条に定める基本原則に則り、まちづくりへの市民参加を図ることによって、市民主体の土地政策の策定及び実施を総合的かつ計画的に行わなければならない。

2 市に所在する土地の利用又は取引(これを支援する行為を含む。)に当たる者は、前条に定める基本原則に則り、市民参加に基づいて、市が策定及び実施する土地施策に従わなければならない。

3 市民は、前条に定める基本原則に則り、その施策に協力しなければならない。

(特別計画協定促進区域の指定)

第3条 市長は、次の各号のいずれかに該当する区域について、適正な土地利用を図ろうとする場合において必要があると認めるときは、あらかじめ、まちづくり土地審議会(以下「審議会」という。)の議決を経て、特別計画協定促進区域(以下「促進区域」という。)として指定することができる。ただし、農業振興地域内における農地については、農業委員会と協議するものとする。

(1) 市街地周辺農地等で宅地、業務用地等に転換することにより、高度な利用を図るべき区域

(2) 耕作が放棄された農地及び適性な施業が行われていない森林等で、高度な利用を図るべき区域

(3) 森林及び原野を農地、宅地、レクリエーション施設用地等に転換することにより、有効な利用を図るべき区域

(4) 道路、河川等の重要な公共施設と一体的な土地利用を図るべき区域

(5) 優良な農地及び森林で将来とも保全すべき区域

(6) 動植物の保護、史跡の保存、景観その他良質な環境として保全又は増進すべき区域

(7) 前各号に定めるもののほか市長がこの条例の目的を達成するために必要と認める区域

2 市長は、前項の規定により審議会の議を経るに当たっては、あらかじめ、当該促進区域の自治会の意見を聴いて、その旨及びその促進区域案を公告し、公告の日から2週間その書類を公衆の縦覧に供しなければならない。

3 前項の規定による公告があったときは、市民及び当該促進区域に係る土地又は家屋の所有者(以下「土地等の所有者」という。)同項の縦覧期間の満了の日までに、縦覧に供された案について、市長に意見書を提出することができる。

4 市長は、前項の意見書の提出があったときは、その趣旨を審議会に報告しなければならない。

5 市長は、促進区域を指定したときはその旨及びその区域を告示するとともに、当該促進区域内の市民及び土地等の所有者に対して、その内容を説明しなければならない。

(まちづくり計画案の策定)

第4条 自治会の代表者及び土地等の所有者又はその代表者は、適正で良質なまちづくりを促進するため、次に掲げる事項について、当該促進区域に係るまちづくり計画案を策定しなければならない。

(1) 名称

(2) まちづくりの目標及び方針

(3) 区域

(4) 土地の利用の方法

(5) その他、適正で良質なまちづくりを促進するために必要な事項

(まちづくり計画協定の締結)

第5条 市長は、促進区域のまちづくり計画案がまちづくりに関する市の総合的な計画に適合していると認めるときは、当該促進区域のまちづくり計画案を促進するため、必要な事項について、当該促進区域に係る自治会の代表者及び土地等の所有者又はその代表者との間にまちづくり計画協定を締結することができる。

2 前項のまちづくり計画協定を締結するには、土地等の所有者の10分の8以上の同意がなければならない。

3 市長は、まちづくり計画協定を締結しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、まちづくり計画協定を締結したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

5 前3項の規定は、まちづくり計画協定を変更又は廃止する場合について準用する。

(特別計画協定区域の指定)

第6条 市長は、まちづくり計画協定が締結された区域を特別計画協定区域(以下「協定区域」という。)として指定するものとする。

2 市長は、協定区域を指定したときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

3 前項の規定は、協定区域の変更又は廃止について準用する。

4 市長は、協定区域を指定したときは、当該協定区域に係る土地の利用又は取引等について必要な調査及び研究に努めるものとする。

(協定区域内における行為の届出)

第7条 協定区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。

(1) 土地に関する所有権、地上権若しくは賃借権又はこれらの権利の取得を目的とする権利(以下「土地に関する権利」という。)の移転又は設定をする契約(予約を含む。)の締結

(2) 建築物及び特定工作物の新築又は増築

(3) 土地及び建物等の用途(利用目的を含む。)の変更

(4) 土地の区画又は形質の変更

2 前項の規定は、次に掲げる行為について適用しない。

(1) 通常の管理行為、簡易な行為その他の行為で市長が別に定めるもの

(2) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

(3) 国及び地方公共団体が行う行為

(調査、報告及び勧告等)

第8条 市長は、前条第1項の規定による届出があった場合において、当該届出に係るまちづくり計画協定に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、当該土地売買等の契約の締結の中止、その他その届出に係る事項について必要な措置を講ずるべきことを指導又は勧告することができる。

2 市長は、特に必要があると認めるときは、職員に事業の実施場所に立ち入らせ、調査をさせることができる。

3 前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 市長は、第1項の規定による勧告を受けた者に対し、当該勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができる。

(公表)

第9条 市長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、その旨及び勧告の内容を公表することができる。

2 市長は、第7条の規定による届出をしなかった者があるときは、その者の氏名を公表することができる。

(土地に関する権利の買取り請求)

第10条 協定区域内の土地において、土地に関する権利を有する者は、第8条第1項の規定による勧告を受けたときには、市長に対し、当該土地に関する権利を買い取ることを請求することができる。

(土地に関する権利の買取りの協議)

第11条 市長は、前条の規定による請求があった場合においては、土地に関する権利の買取りの協議を行う買取り機関を定め、買取りの目的を示して、当該買取り機関が買取りの協議を行う旨を当該請求者に通知するものとする。

2 前項の規定による通知は、請求のあった日から起算して3週間以内に、これを行うものとする。

3 第1項の規定による通知を受けた者は、適正な理由がなければ、当該通知に係る土地に関する権利の買取りの協議を行うことを拒んではならない。

第2章 環境保全に関する施策

(環境基本指針)

第12条 市は、前章に定める土地に関する施策を行うに当たり、環境保全に関する基本指針を定めなければならない。

(定義)

第13条 公害とは、環境の保全上の支障のうち、人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

(規制の処置)

第14条 市は、環境保全上の支障を防止するために必要であると認めるときは、市の自然的、社会的条件に応じて、公害の防止、自然環境の適正な保護策のために、必要な規制の措置を講ずるように努めるものとする。

(苦情の処理)

第15条 市は、公害その他人の活動に伴う環境保全上の支障に関する苦情の処理について必要な措置を講ずるように努めるものとする。

(勧告等)

第16条 市長は、前条の苦情の処理に係る事業については事業者に、当該区域の自治会の代表者及び当該区域に居住する者の相当数の同意が得られるべく必要な措置を講ずるよう指導又は勧告することができる。

2 市長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときはその勧告を受けた者に対してその勧告に基づいて講じた措置について報告を求めることができる。

第17条 市長は、前条の勧告等を行う場合、第8条第2項第3項及び第9条の規定を準用する。

(土地に関する権利の買取り請求)

第18条 第16条第1項の勧告を受けた土地に関する権利を有する者は、市長に対し、当該土地に関する権利を買い取ることを請求することができる。

(土地に関する権利の買取りの協議)

第19条 市長は、前条の規定による請求があった場合においては、第11条の規定を準用することができる。ただし、この場合においては、当該地区の自治会の代表者及び当該地区に居住する世帯を代表する者の10分の8以上の同意を必要とする。

第3章 まちづくり土地審議会

(設置)

第20条 この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、市長の諮問に応じて、市における土地施策に関する基本的な事項を調査審議するため、審議会を置く。

(組織)

第21条 審議会は委員20人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 学識経験のある者

(2) 地域住民の代表者

(3) 公共的団体等の代表者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第22条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によって定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(会議)

第23条 審議会は、会長が招集し、会長がその議長となる。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(関係者の意見聴取)

第24条 審議会は、必要があると認めるときは、委員でない者の説明又は意見を聴くことができる。

(庶務)

第25条 審議会の庶務は、建設部都市住宅課において処理する。

第4章 補則

(委任)

第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年10月11日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の榛原町まちづくり土地条例(平成13年榛原町条例第1号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 この条例の施行後最初に行われる審議会は、第23条第1項の規定にかかわらず、市長がこれを招集する。

(平成19年12月21日条例第25号)

この条例は、平成20年4月1日から施行する。

(平成22年12月20日条例第22号)

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

(令和3年3月12日条例第1号)

この条例は、令和3年4月1日から施行する。

牧之原市まちづくり土地条例

平成17年10月11日 条例第108号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第5章 環境保全
沿革情報
平成17年10月11日 条例第108号
平成19年12月21日 条例第25号
平成22年12月20日 条例第22号
令和3年3月12日 条例第1号