○牧之原市情報公開条例
平成17年10月11日
条例第7号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示
第1節 公文書の開示(第5条―第18条)
第2節 審査請求(第19条―第27条)
第3章 情報公開の総合的推進(第28条・第29条)
第4章 雑則(第30条―第35条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨にのっとり、市民の市政についての知る権利を尊重して、公文書の開示を請求する権利を明らかにするとともに市の保有する情報の公開に関して必要な事項を定め、もって市の諸活動を市民に説明する責務が全うされるようにし、市政の公正な執行と市民の信頼の確保を図り、市民参加による開かれた市政を一層推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、市長(公営企業管理を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、実施機関の職員が組織的に用いるものとして、それぞれの実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、この条例の運用に当たっては、公文書の開示を請求する権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。
(利用者の責務)
第4条 この条例に基づく公文書の開示を請求する権利は、これを濫用してはならない。
第2章 公文書の開示
第1節 公文書の開示
(開示請求権)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、その保有する公文書の開示を請求することができる。
(開示請求の手続)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
(1) 開示請求をする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 公文書の名称その他の開示の請求に係る公文書を特定するに足りる事項
(3) その他規則で定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次に掲げる情報(以下「非開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定又は実施機関が法律上従う義務を有する国及び県の機関の明示の指示その他これに類する行為により、公にすることができないと認められる情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により、又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員並びに地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務の遂行の内容に係る部分。ただし、公務員等の氏名に係る情報を公にすることによりその個人の権利利益を不当に害するおそれがある場合にあっては、公務員等の氏名に係る部分を除く。
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより、法人等又は個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の公にしないとの条件を付することがその情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 公にすることにより、犯罪の予防、公訴の維持その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報
(5) 市の機関並びに国、独立行政法人等及び他の地方公共団体の機関の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民等の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 市の機関並びに国、独立行政法人等及び他の地方公共団体の機関が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他事務又は事業の性質上、その事務又は事業の遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、徴税又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉、渉外又は争訟に関する事務に関し、市、国、独立行政法人等又は他の地方公共団体の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 市、国若しくは他の地方公共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に非開示情報が記録されている場合において、非開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。
(公益上の理由による裁量的開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書に非開示情報(第7条第1号に規定する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該公文書を開示することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 開示請求に対し、開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することに当たるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する措置)
第11条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示を実施する日時その他開示の実施に関し規則で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、開示請求があった場合において、直ちに開示請求に係る公文書の全部を開示するときは、口頭で行うことができる。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る公文書を所有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(1) この項を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限
(事案の移送)
第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書が他の実施機関により作成されたものであるとき、又は他の実施機関において開示決定をすることにつき正当な理由があるときは、他の実施機関と協議の上、他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合において、移送をした実施機関は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、開示請求についての開示決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者がその文書の開示に反対の意思表示をした意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。
(公文書の開示の実施方法)
第16条 公文書の開示は、文書又は図画については、閲覧又は写しの交付により、電磁的記録については、その種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法による公文書の開示にあっては、実施機関は、当該公文書の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。
(他制度との調整)
第17条 法令等の規定により、公文書を閲覧し、若しくは縦覧し、又は公文書の謄本、抄本その他の写しの交付を求めることができる等の場合における公文書の開示については、それぞれの法令等に定めるところによる。
2 広く市民の利用に供することを目的として管理している公文書については、この条例に基づく開示をしない。
(費用負担)
第18条 公文書(電磁的記録を除く。)の写しの交付を受ける者は、実施機関が定めるところにより、当該写しの交付に要する費用を負担しなければならない。
2 公文書(電磁的記録に限る。)の開示を受ける者は、実施機関が定めるところにより、当該開示の実施に要する費用を負担しなければならない。
第2節 審査請求
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第19条 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。
(審査会への諮問)
第19条の2 開示決定等又は開示請求に係る不作為について、審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、速やかに、牧之原市情報公開審査会に諮問をしなければならない。ただし、次に掲げる場合を除く。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(当該公文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
(諮問をした旨の通知)
第20条 前条第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問庁」という。)は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この章において同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(審査請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が公文書の開示に反対の意思を表示している場合に限る。)
(牧之原市情報公開審査会)
第22条 第19条の2第1項の規定による諮問に応じ審査請求について調査審議するため、牧之原市情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、前項に規定する調査審議を行うほか、情報公開に関する事項について、実施機関に意見を述べることができる。
3 審査会は、委員6人以内で組織する。
4 委員は、優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
5 委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることができる。
7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(審査会の調査権限)
第23条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された公文書の開示を求めることができない。
2 諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。
3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に係る公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
(意見の陳述等)
第24条 審査会は、審査請求人等から申立てがあったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会がその必要がないと認めるときは、この限りでない。
2 前項本文の場合においては、審査請求人又は参加人は、審査会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
(意見書等の提出)
第24条の2 審査請求人等は、審査会に対し、意見書又は資料を提出することができる。ただし、審査会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
2 審査請求人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書又は資料の閲覧(電磁的記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものにあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。
4 審査会は、第2項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。
(調査審議手続等の非公開)
第25条 第19条の2の諮問に応じ審査会の行う調査審議に係る手続及び公文書は、公開しない。
(答申書の送付等)
第26条 審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。
(規則への委任)
第27条 この節に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第3章 情報公開の総合的推進
(情報公開の総合的推進)
第28条 実施機関は、前章第1節に定める公文書の開示のほか、市民が市政に関する情報を迅速かつ容易に得られるよう情報提供施策の充実を図るなど、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
(情報提供施策の充実)
第29条 実施機関は、広報及び広聴の活動の充実、刊行物その他の資料の積極的な提供、情報通信技術を活用した多様な媒体による情報提供の推進等により、情報提供施策の充実に努めるものとする。
第4章 雑則
(公文書の管理)
第30条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理しなければならない。
2 実施機関は、実施機関の規則(規程を含む。)で公文書の分類、作成、保存及び廃棄その他の公文書の管理に関する必要な事項を定めなければならない。
(公文書の検索資料の作成等)
第31条 実施機関は、公文書を検索するために必要な資料を作成し、一般の利用に供するものとする。
(実施状況の公表)
第32条 市長は、毎年1回、各実施機関における公文書の開示等の実施状況を取りまとめ、これを公表しなければならない。
(適用除外)
第33条 法律の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の規定が適用されないこととされた公文書については、この条例の規定は、適用しない。
(委任)
第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。
(罰則)
第35条 第22条第7項の規定に違反して秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年10月11日から施行する。
(経過措置)
4 施行日の前日までに、合併前の相良町情報公開条例又は榛原町情報公開条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(平成22年9月9日条例第16号)
この条例は、平成22年10月11日から施行する。
附則(平成24年12月25日条例第27号)
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成27年10月1日条例第22号)
この条例は、平成27年10月1日から施行する。
附則(平成28年3月26日条例第6号)抄
(施行期日)
1 この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(牧之原市情報公開条例の一部改正に伴う経過措置)
2 実施機関(この条例による改正前の牧之原市情報公開条例第2条第1項に規定する実施機関をいう。以下この項において同じ。)の処分又は不作為についての不服申立てであって、この条例の施行前にされた実施機関の処分又はこの条例の施行前にされた請求に係る実施機関の不作為に係るものに関する取扱いについては、なお従前の例による。