![中国国際茶文化研究会事業への参加〜浙江省湖州市長興県〜[2008年06月02日]](../comn/comn0020.asp?k=2&n=18748&r=1)
先週27日から29日にかけて、中国浙江省へ行ってきました。浙江省杭州市に本部があり、中国茶研究機関として権威のある中国国際茶文化研究会からご招待を受け、浙江省湖州市長興県が開催する「第1回陸羽茶文化展開幕式」と「大唐貢茶院博物館落成式展」「中国国際茶文化研究会15周年式典」に出席しました。
交流や訪問は、相互互恵が原則です。中国側にとってはイベントの成功に向けて、一人でもあるいは一団体でも参加が多いほうが良いわけです。外国の自治体となればなおさらです。
一方、牧之原市にとっては、静岡牧之原茶の内外での評判を高め、中国の茶文化に対する取り組みを学ぶと同時に、茶の振興発展につながることがあれば連携して取り組むなどいくつかの目的があります。今回は特に、来年1月30〜31日に開催される全国茶サミットへの応援要請もありました。もちろん富士山静岡空港のPRも重要です。
5月27日、関西空港を10時35分に飛び立った全日空NH951便は、予定通り時差1時間の杭州市へ中国時間12時過ぎに到着しました。まだ5月というのに機内から移動通路に移った瞬間熱風のようなものが体を包みます。日本との緯度の違いを改めて感じる瞬間です。
今まで杭州市へ入るにはほとんど上海経由でしたが、今回は直接杭州空港へ入りましたので、移動が迅速にできました。杭州市内の龍井村でNPO法人日本茶芸師協会の皆さんと合流しバスで長興県を目指します。
途中、中国江南水郷博物館へ寄って径山禅茶文化展を見学して陸羽と長興について予備知識を入れました。径山寺は栄西禅師が学んで日本にお茶を持ち帰ったことでも知られています。
中国読みで「径山寺」は「キンザンジ」で、お味噌やうどんなどもここからもたらされたそうです。長興県は島田市の友好都市である湖州市の一つの県です。杭州市から約2時間、高速道路を出たところで警察の出迎えを受けて先導されて市内へ入りました。
早速夕方から国際色豊かな演出で歓迎夕食会が開催されました。
メインテーブルの来賓は韓国とエストニアと日本の私という奇妙な組み合わせです。私の隣は中国人民政府対外友好協会欧州工作部でロシア語が堪能な方です。エストニアの方とは片言の英語で話したが、お茶にはまったく関係がなく、今回はIT関係の経済投資の商談で来たと言うことでした。
翌日は、非常に厳重な警戒体制の元で始まりました。
私の移動には警備と通訳がついて、黒のベンツが用意されました。
今回のイベントは当初大掛かりなものとして長興県で計画されました。しかし、オリンピックの前にはあまりお金をかけたイベントをしないような政府通達もあって、外国への招へいが中途半端であったところへ、チベット問題が発生し厳重警備が必要となり、極めつけは四川省の地震で「お金があったら四川へ寄付!」と最後まで計画が紆余曲折しました。
私たちも、宿泊先の変更や歓迎夕食会など土壇場でかなり変更がありました。
それでもそれなりにイベントの開催にこぎつけました。しかし厳重な警備が過ぎるのか、行く先の交通は制限されていて会場や沿道にはブースも一般客もほとんどなく、お茶の世界的なイベントが開催されているのか疑ってしまいます。
午前は、第1回陸羽茶文化開幕式と第10回国際茶文化シンポジウムそして2008中国太湖長興県国際投資貿易商談会の開幕式が合同で800人を収容した大劇場で行われました。
四川省の地震で亡くなられた方を偲んで黙祷から式は始まりました。
挨拶の登壇者にスターウォーズの挿入曲を使った演出効果、赤や黄色と緑など色とりどりの花ポットがきれいに配置され敷き詰められた会場前面などもてなしはいうことなしです。挨拶に立った長興県長は如何に優れた県であるかを、その伝統と経済的発展を例に挙げながら訴えます。そして茶文化と経済交流を結びつけ貿易商談へ話を進めます。
日本からの来賓は私だけですが、韓国茶人連合会の朴潅欣会長とともに紹介されました。
進行は、日本語同時通訳があり快適でしたが、わずかな人数の日本人のためにこのような配慮がされていることに感動しました。
お茶を中心に据えながらも、実質的には経済交流などを主目的にし、政治や文化レベルでの交流効果に期待していることが伝わってきます。
中央政府・地方政府と企業が一体となって経済発展を目指そうとしています。その時に、地域にある資源を最大限に駆使して「オール浙江省・オール長興県」で売り込んでいます。
先日、牧之原市が大阪交流会をやりましたが、その時も「牧之原市の魅力全部を引っさげてPR」 でやりましたが、同じ発想です。改めて中国のお茶戦略の一端を見た気がします。
歴史文化と茶文化と経済発展とさらにお茶は健康に良くて友情の掛け橋となれば、いったいこれに勝るものは他にあるでしょうか。
お茶が経済や友好の大きな武器・ツールになるということです。
茶の生産量は、ここ長興県ではさして大きくないそうです。茶生産そのものは経済的に魅力的ではないわけですが、お茶の持つ力が大きいということです。
考えてみると、大根やトマトやたまねぎが伝統や文化になったという話は聞きません。米と花は多少伝統や文化に関係しますが、お茶ほどの魅力は持っていません。
中国茶文化協会の龍会長が挨拶で「無公害生産、グリーンで安心安全のルールを拡大して省域内でマーケットシステムを作ろう!生産加工技術を伸ばして、ブランド力の向上と新品種の機能を拡充して新たな茶業の発展段階へ入ろう!長興県はお茶発祥の地の一つであって、完成した大唐貢茶院は情報発信の大きな目玉になります!」と言いました。
課題は静岡県の茶業と同じですが、それに立ち向かっていく気概と応援団や戦略の違いを実感しました。
長興テレビや浙江テレビなどの取材を受けて、メディアを通じても牧之原市のお茶や富士山静岡空港のPRができました。生産は競争であっても、消費の量や質を向上させていくことにおいて協力をしていく必要を強く感じました。特に、中国国際茶文化研究会創立15周年大会では、竜会長に続き来賓祝辞を述べる機会を得たことは意義がありました。
挨拶において、お茶文化での交流促進、さらに牧之原で来年開催される茶サミットへの協力支援と富士山静岡空港のPRを大いにしました。
また、中国お茶の日が5月1日と決まるので、それに合わせて、わが国でも大いに連携して、お茶を飲む文化振興や消費拡大に力を合わせて取り組んでいくこと誓いました。韓国の朴会長とも文化や消費の面での今後の交流を約束しました。空港のある牧之原市の対外お茶戦略の早期立案が必要です。
牧之原市長 西原 茂樹
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